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野菜・果物の健康維持機能に関する研究動向

3. 主な果物の生理機能

f. ネクタリン

ネクタリン(Prunus percica var. nucipercica)はモモ(Prunus percica)の変種で、果皮に柔毛が無く、表面がつるつるしています。そのため、別名としてモモを毛桃、ネクタリンを油桃(ゆとう)とも呼びます。

ネクタリンには果肉が黄色の品種と白色の品種があります。果肉の黄色はカロテノイドに由来し、カロテノイドは黄肉品種の方に多く含まれます 1) 。主たるカロテノイドはβ-カロテンとβ-クリプトキサンチンで、α-カロテンは一部の品種にのみ含まれています。β-クリプトキサンチンはウンシュウミカンに多く含まれる抗酸化成分で、様々な健康機能性があることで注目されている成分ですが、ネクタリンは中晩生柑橘が終わりハウスミカンが出回る時期までの間の初夏の時期のβ-クリプトキサンチン摂取源になります。

ネクタリンのポリフェノール含量や抗酸化活性については、カロテノイド含量のように白肉品種と黄肉品種の間には明確な品種間差はありませんが、ポリフェノール高含有で抗酸化活性が高い品種は白肉品種と黄肉品種の両方に存在し、品種間差がみられます 1), 2) 。ネクタリンに含まれるポリフェノールとして、ヒドロキシ桂皮酸誘導体、フラバン-3-オール(いわゆる、カテキン類)、フラボノール、アントシアニンが見出されています 3) 。ヒドロキシ桂皮酸誘導体にはクロロゲン酸(3-O-カフェオイルキナ酸)とネオクロロゲン酸(5-O-カフェオイルキナ酸)、フラバン-3-オールにはカテキン・エピカテキンと二量体のプロシアニジンB1、フラボノールにはケルセチン-3-ガラクトシド(ケルセチンのガラクトース配糖体)、アントシアニンにはシアニジン-3-グルコシド(シアニジンのグルコース配糖体)が主たる成分として存在しています。

ネクタリンはビタミンE(α-トコフェロール)を豊富に含み、含量は新鮮重100gあたり1.4mgです 4) 。ビタミンEは脂溶性の抗酸化ビタミンで、主に生体膜が活性酸素により酸化障害を受けるのを防ぐ働きがあります。

以上のように、ネクタリンは抗酸化成分が多様に含まれている果物です。

(文責 田中 敬一)


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