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野菜・果物を摂取するときの注意

Q and A

2. 野菜を食べた後、口の中がかゆくなるのですが、これは野菜アレルギーですか?

世間では、「野菜嫌いの人」を野菜アレルギーということがありますが、これとは別に野菜のある種の成分(アレルゲン)よってアレルギーの症状を呈する人が最近増えています。一般的には、野菜中に含まれるアレルゲンがくちびるや舌、のどなどの口腔粘膜に直接触れることにより、そこがかゆくなったり腫れたり、痛んだりします。これを口腔粘膜症候群(OAS: oral allergy syndrom)といいますが、場合によっては深刻な症状も起こします。

表1 OASとそれに関連して進展する症状
Step 1くちびる、舌、のどのかゆみ、浮腫もしくは痛み
Step 2全身のじんましん
Step 3はきけ、下痢、腹痛などの消化器症状、喘息
Step 4アナフィラキシーショック

原因となる野菜としては、キュウリ、ニンニク、トマト、なす、ピーマン、シシトウなどたくさんありますが、リンゴやメロン、イチゴなど果物でもよく起こるようです。このようなことから、口腔粘膜症候群のことを野菜・果物過敏症という場合もあるようです。同じ科に属する野菜や果物は共通のアレルゲンを有することが多いので関連づけて注意することが大切ですが、科が違うものでも共通アレルゲンを持っている場合があります。また、花粉症の人は野菜・果物過敏症を起こしやすいのでこれも注意が必要です。例えばスギ花粉症やヒノキ花粉症はトマト、白樺花粉症はバラ科の果物、ブタクサの花粉症の人はウリ科の野菜に注意するといいでしょう。

表2 共通アレルゲンをもつ野菜と果物のグループ
モモ、イチゴ、オレンジ、バナナ
ニンジン、パセリ、セロリ、モモ、ナシ、ジャガイモ
ピーマン、サクランボ、リンゴ
キウイフルーツ、イチジク、パイナップル、パパイヤ、大豆
ゴマ、ケシ、キウイフルーツ

野菜や果物類はヒスタミンやコリン等、仮性アレルゲンとなるものが含まれている場合があり、それらによって症状が引き起こされる可能性もあります。一般的にはアレルゲンは消化管中で消化分解されるため、その症状が口の周辺にとどまることが多いのです。従って野菜などは良く熱を加えて調理することも、野菜・果物過敏症防止の一手段となるでしょう。ただし、スパイスやセロリのアレルゲンは加熱しても失活しないことがあるので万全ではありません。

このようなアレルゲンによるものとは別に残留農薬なども野菜・果物過敏症を起こしやすくする一因となります。ポストハーベストのないものを選んだり、良く洗って食べることも大切です。

(文責 篠塚和正)


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