野菜・果物を摂取するときの注意
Q and A
c. 肝臓に作用して、肝臓による薬の解毒化に影響する!
代謝の過程で医薬品に影響するもの
アブラ菜科の野菜(キャベツや芽キャベツなど)にふくまれるインドールは肝臓の薬物代謝酵素を誘導して(働きを強めて)フェナセチンやワルファリンの代謝を促進することにより、薬の効果を減弱させます。ハーブとして有名なセイヨウオトギリ草(St.John's Wort)も薬物代謝酵素を誘導することが知られています。その結果、アミノフィリン(喘息治療薬)、アミオダロン(抗不整脈薬)、カルバマゼピン(抗てんかん薬)、フェノバルビタール(催眠・鎮静薬)、ジゴキシン(強心薬)などの作用が十分得られなくなります。一方、グレープフルーツジュースはよく知られているように、薬物代謝酵素を阻害することにより、その基質となる薬物の血中濃度を増加させ、その作用および副作用を増強します。このような影響を受ける医薬品として、図にあるような薬物の他、ニカルジピン(高血圧治療薬)、メフロキン(抗マラリア薬)、タクロリムス(前立腺肥大に寄る排尿困難改善薬)、シサプリド(腸管運動調整薬)、シロスタゾール(血小板凝集阻害薬)など多数の医薬品があります。