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企業・団体向け野菜等摂取普及啓発の推進

全国段階における野菜等消費啓発効果検証

結果:平成14年度(取り組み開始前)から平成20年度の変化

1. プロジェクトの認知度・情報源

「5 A Day(ファイブ・ア・デイ)」または「ベジフル セブン」を、「聞いたことがある」または「内容を知っている」人は、11.9%(14年度)、12.6%(15年度)、14.3%(16年度)、15.8%(17年度)、17.2%(18年度)、15.3%(19年度)、15.6%(平成20年度)と、平成18年度までの増加は19年度、20年度にはとまった。内容を知っている人も同様の傾向がみられる。

5 A Day、ベジフル セブンの認知度

プロジェクトについての情報源は、(1)スーパー・食料品店、(2)新聞・雑誌・本、(3)テレビ・ラジオの順で多かった。

2. 野菜等の摂取状況

1日の野菜の摂取皿数で5−6皿以上食べている人の割合は、11.5%(14年度)、10.5%(15年度)、10.1%(16年度)、10.1%(17年度)、10.6%(18年度)、9.9%(19年度)、10.2%(20年度)と増加はしていない。調査前日の1日の食事での野菜料理の摂取状況では、朝、昼、夕食ともに、副菜の皿数が少ない、または副菜無しの人が増加している。

1日の野菜の摂取量の目安

一方で、「野菜ジュース」を週に1−2回以上摂取する人は、26.8%(14年度)、27.3%(15年度)、29.3%(16年度)、29.9%(17年度)、34.4%(18年度)、56.3%(19年度)、51.1%(20年度)と19年度まで増加してきたが、20年度では増加が止まった。

3. 野菜等の摂取行動にかかわる知識、スキル、態度等の要因

知識では、1日の野菜摂取目安量5皿以上と回答した人は、24.8%(14年度)、24.6%(15年度)、27.4%(16年度)、26.2%(17年度)、28.2%(18年度)、30.9%(19年度)、28.7%(20年度)と平成19年度まで増加してきたが、20年度では増加が止まった。また、1日の適正野菜摂取重量を350g以上と回答した人は、49.7%(14年度)、49.1%(15年度)、53.5%(16年度)、53.0%(17年度)、56.8%(18年度)、57.3%(19年度)、54.9%(20年度)と野菜摂取目安量の知識と同様の傾向がみられた。

野菜の摂取量の目安350g以上と回答した人の割合

野菜料理をつくるスキルや選ぶスキルでは、ほとんど変化がみられなかった。
 野菜摂取に関わる態度では、「野菜摂取の健康への効果がとてもある」と思っている人は、77.0%(14年度)から75.9%(20年度)と変化はなく、「自分にとても重要性」と思う人の割合は、いずれの年も約5割で変化がなかった。一方で、「自分は1日に5皿以上の野菜を食べることができると思う(とても+どちらかといえば自信がある)」人は、31.3%(14年度)から28.6%(20年度)に減少している。したがって、健康への効果があり、野菜を食べることが自分にとって重要だと多くの人が思っているが、「食べることができる」という自信がある人は少なく、さらに減少していることがわかった。

野菜摂取に関する態度

野菜摂取に影響する要因をみると、「とても影響する」と回答した人の割合が多いのは、「自分の好みや味」、「安全性」、「健康への効果」、「価格」であった。平成14年度と20年度を比較すると、影響する要因として「健康への効果」をあげる人は減少し、「安全性」「価格」「近くの店で入手できる」「外食や惣菜で野菜料理が入手できる」「手間」をあげる人が増加している。

野菜摂取に影響する要因

4. 野菜等の摂取行動にかかわる食環境へのアクセスのしやすさ

野菜等の入手先では、青果物店は34.5%(14年度)から27.9%(20年度)、もらうは39.4%(14年度)から35.4%(20年度)へと年々減少し、コンビニ2.7%(14年度)から4.4%(20年度)、直売所26.9%(14年度)から33.2%(20年度)、産直3.9%(14年度)から5.2%(20年度)は増加した。
 生鮮野菜が「とても入手しやすい」とした人は、53.2%(14年度)から58.5%(20年度)と増加し、惣菜・外食が「とても入手しやすい」とした人は、31.4%(14年度)から34.7%(20年度)と増加し、販売環境は向上していると認識されている。

野菜情報入手ルートでは、平成14年度時点で最も多かった「スーパー・食料品店」は68.8%(14年度)から65.3%(20年度)へ減少し、2番目に多かった「テレビ・ラジオ」は64.3%(14年度)から61.8%(20年度)、3番目に多かった「新聞・雑誌・本」は、57.2%(14年度)から53.0%(20年度)と減少した一方で、「インターネット」は5.5%(14年度)から20.8%(20年度)と増加している。
 野菜に関する情報は、「充分提供されている」「どちらかといえば充分提供されている」とした人が16.7%(14年度)から25.0%(20年度)と年々増加し、野菜情報量は多くなっていると認識されている。野菜についてほしい情報として多くの人があげたのは、安全性、産地、健康への効果、調理法などであった。

野菜の入手しやすさ
必要な野菜情報の提供状況

5. 食事や栄養に対する関心

野菜啓発効果として、食事や栄養に関する関心が高まり、食生活全体が健康的に改善されることが期待されるため、この項目を設定したが、「食事や栄養に対する関心」には変化はなかった。

6. 野菜摂取に関する知識・態度・スキルと1日の野菜摂取状況

平成20年度は、野菜摂取に関する要因を検討するため、野菜摂取に関する知識・態度・スキル・外食行動と1日の野菜摂取状況との関連を検討した。
 その結果、知識では、健康のために1日に食べることが望ましい野菜料理の目安量を「5皿以上」とした人は、「5皿未満」「わからない」とした人に比べて、1日の野菜摂取が多かった。態度では、自分にとって野菜摂取が重要だと思っている人ほど、野菜の健康への効果を信じている人ほど、5皿以上の野菜料理を食べることへの自信がある人ほど、1日の野菜摂取が多かった。特に5皿以上の野菜料理を食べることへの自信がある人が少ないことから、向上させることで行動の変化の可能性が高い項目である。スキルでは、野菜料理をつくることができる、惣菜や外食で野菜料理を選ぶことができる人ほど、1日の野菜摂取が多かった。また、外食の頻度が少ない人ほど1日の野菜摂取は多かった。

以上より、仮説で示した各要因が、野菜摂取に関連しており、これらの要因を向上させることにより、摂取行動につながる可能性が示唆された。要因の中でも何が野菜摂取に関わる主要な要因なのかを検討すること、主要な要因は何によってもたらされ、何を改善することが有効なのかを検討することは今後の課題である。

健康のために1日に食べることが望ましい野菜料理の目安量の知識(5皿以上)別 1日の野菜摂取状況
自分にとっての野菜摂取の重要性の認識別1日の野菜摂取状況
野菜の健康への効果への信念別1日の野菜摂取状況
1日に5皿以上の野菜料理を食べることへの自信別1日の野菜摂取状況
野菜料理を作るスキル別 1日の野菜摂取状況
惣菜や外食で野菜を選ぶスキル別 1日の野菜摂取状況
野菜料理を作るスキル別 1日の野菜摂取状況


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