1990年当時、アメリカでは、がんが死亡原因のトップになり、がんを克服することが大きな課題となっていました。
1977年に発表された「Dietary Goals for the United States」通称マクガバン・レポートで、食生活とがん・心臓病をはじめとしたさまざまな疾病との関係性が報告されて以降盛んになされた疾病予防のための食生活に関する多くの研究結果を受け、1991年にアメリカのPBH(農産物健康推進基金)とNCI(米国国立がん研究所)が協力して始めた健康推進運動、それが5ADAY運動です。
がんを予防するためには野菜と果物を多く取り入れた食生活が欠かせないとし掲げられた、「1日に5サービング以上の野菜と果物を食べよう」というシンプルなスローガン。青果業界、食品業界が情報発信や啓発活動をくり広げ、全米1800組織以上、スーパーマーケット35000店以上が参画する国民運動にまで成長しました。
その結果、米国内では野菜や果物の摂取量が増加傾向に、また生活習慣病での死亡率が減少傾向になるなど、大きな成果となっています。
アメリカで始まりやがて世界に広がった5 A DAY運動は、現在では30カ国以上で展開されるに至り、フランスでは1日目標5サービングは達成したとして10サービングへ改定、スペインでは7サービング、デンマークでは6サービングを目標としているなど、各国の文化や食環境によって、それぞれ独自に運動が展開されています。
日本でも、健康のために野菜・果物をたくさん食べようという趣旨のもと、2002年7月にファイブ・ア・デイ協会を設立。
日本の5 A DAYは野菜・果物の摂取量の目安を生活の中で使いやすい量に置き換えた「1日5皿分(350g)以上の野菜と200gの果物を食べましょう」をスローガンに掲げ、消費者、流通、生産者、行政などと連携してさまざまな食育活動を推進しています。
特に食習慣の基礎が作られる子どもたちに向け、野菜・果物の大切さとバランスのよい食生活について楽しみながら学べる多彩な食育プログラムを提供しています。