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野菜・果物に関するFAQ

Q and A

29. 最近の果物は甘くておいしいのですが、食べると太るのではないでしょうか?また、甘いもの程カロリーも高くなっているのでしょうか?

最近の果物は品種改良が進み、糖度が高く、甘くなってきていますが、カロリーの点から見ると、20年前のデータとほとんど変わりありません(表1)。

カロリーは、脂質、炭水化物、タンパク質の量から計算され、炭水化物、タンパク質では4kcal/g、脂質では9kcal/gとなっています。ビタミン類などは、カロリーは0です。甘さとカロリーは直接関係が無く、例えば、ゴボウとリンゴを比較してみると、ゴボウのカロリーは100g当たり65kcalですが、リンゴのカロリーは54kcalです。糖分もデンプンも同じ炭水化物として計算されるからです。

一般にリンゴやミカンなど主な果物のカロリーは100g当たり30〜70kcalの間に入ります。それに対して、らっかせい(295kcal)、とうがらし(96kcal)、グリンピース(93kcal)などの脂質の多い野菜は、果物よりカロリーが高くなります。また、パセリは44kcalでウンシュウミカンと、また、にんじん、たまねぎはアンズとほぼ同じ35kcal程度です。このように果物は野菜と比較してもカロリーが高いわけではありません。

果物を食べると太ると誤解している人がいます。スウェーデンに住む女性55,459人を対象に行われた疫学調査では、普通に食べている女性では肥満か太り過ぎの人の割合は40%でしたが、果物など植物性食品を主に食べている女性では25〜29%でした 1)。このことは、動物性食品を減らして果物など植物性食品を多く摂取すると、カロリーが比較的低く、ダイエットに効果があることにつながっていると思われます。

バナナは買ってきて家においておくと、甘味がどんどん増してきます。この甘味の増加は、もともとバナナに蓄積されていたデンプンが糖類に分解したことによって、人には甘く感じられるようになったものです。デンプンは甘くありませんが、グラムあたりのキロカロリーは糖類と大差ないことから、デンプンであろうと甘い糖であろうとバナナ全体のカロリーとしてはほとんど違いがありません。甘い=カロリーが高いという訳ではありません。

参考文献
1) NewbyP.K. et al. (2005) Risk of overweight and obesity among semivegetarian, lactovegetarian, and vegan women. Am. J. Clin. Nutr. 81: 1267-1274.
2) 科学技術庁資源調査室編 (1982) 4訂日本食品標準成分表(大蔵省印刷局).
3) 科学技術庁資源調査室編 (2000) 5訂日本食品標準成分表(大蔵省印刷局).
表1 主な果物のカロリーの変化 (kcal/100g)
果物の種類 1982年 2000年
アンズ 33 36
ウメ 29 28
ウンシュウミカン 44 46
オウトウ 54 60
オレンジ 37 39
カキ 60 60
キウイフルーツ 56 53
グレープフルーツ 36 38
スモモ 46 44
セイヨウナシ 56 54
ナツミカン 38 40
ニホンナシ 40 43
パインアップル 58 51
バナナ 87 86
ビワ 43 40
ブドウ 56 59
モモ 37 40
リンゴ 50 54

(文責 長谷川美典、田中・生駒を改訂)


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