野菜・果物に関するFAQ
Q and A
8. 輸入野菜と国産野菜の栄養成分に差はあるのでしょうか?
近年、生鮮野菜および冷凍野菜を中心に輸入野菜が増加しています。生鮮野菜のうち、特に輸入量の多いのはタマネギ、カボチャ、ブロッコリーなどであり、最近増えてきたものとしてショウガ、ニンニク、レンコン等があります。
ブロッコリー(生鮮もの)については、いくつかの試験研究機関で輸入品と国産品の品質の比較が行われました。形状は、輸入品は主枝が細く分枝が長いのに対し、国産品は輸入品に比べて主枝が太く分枝は短く、花蕾部(先端の蕾の部分)に厚みがあります。このような形状の違いにより輸入品と国産品を区別できます。ブロッコリーはビタミンC(アスコルビン酸)を多く含む野菜です。いくつかの調査によると、全体としては輸入品よりも国産品の方がビタミンC含量が高い傾向がありました。これは、輸入品の場合、収穫後、店頭に並ぶまでに20日間くらいかかるためと考えられます。ビタミンCの含量については、他の輸入野菜でも同様のことが言えるものと考えられます。
ブロッコリーの食味に大きく影響する甘味成分である糖の含量も、国産品の方が高い傾向があると報告されています。通常食べられている花蕾部(分枝も一部含む)には果糖とブドウ糖が多く、捨てられることが多い主枝部にはショ糖が多く含まれますが、いずれの部位でも国産品は輸入品に比べてこれらの含量が高いという調査結果が出ています。このため、食味の官能評価でも甘味やコクなどの点で国産品の評価が輸入品を上回っていました。
但し、野菜の品質は、輸入品、国産品を問わず、産地、天候、収穫時期などによって変動するため、現段階で輸入野菜と国産野菜の品質について結論的なことは言いづらいとされています。
1) | 中西英人.輸入野菜の品質−ブロッコリーを中心として−. 1998. 研究ジャーナル. 21 (7), 35-39. |
---|---|
2) | 野垣芳恵・中美治子・吉田企世子.カリフォルニア及びワシントンより輸入された市販ブロッコリーの成分について.女子栄養大学紀要. 26, 55-60. |