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野菜・果物に関するFAQ

Q and A

26. 買ってきた果物を上手に保存する方法を教えて下さい。

ポイント1

果物をしなびさせない:果物果物を鮮度よく保存するためには、しなびさせないことが重要です。保存する湿度を高くすると、果物から水分が蒸発(正確には、果実から水分が蒸発することは蒸散と呼びます)しにくくなるため、しなびは防げます。果物の周囲の湿度を高くするには、ポリエチレンの袋で包装することが有効です。ただし、果物は収穫後も生きていて、呼吸をしているため、果物を入れたポリエチレン袋を密閉してしまうと、袋内の炭酸ガス濃度が上昇し、酸素濃度が低下するため、果物が正常に呼吸を行えなくなってしまいます。リンゴ等の果実では、呼吸を不活発にさせることにより甘味や酸味の減少を抑制できるので、ポリエチレン袋を密閉しても問題がありません。逆に、ミカンのような果物では、呼吸が正常に行われなくなると異臭が発生する等の問題が起こることが知られており、ポリエチレン袋を密閉することは避けなければなりません。家庭では、購入後数ヶ月も保存するということはないと思います。このため、ある程度のしなびを防ぐげばよいと考えられますので、ポリエチレン袋を密閉せず、ポリエチレン袋で果物を包むようにする程度で充分です。ただし、ポリエチレンで包むと、袋内の湿度が上昇するので、果物にカビや細菌が繁殖しやすくなるため、腐敗が進行しやすくなります。これらの繁殖を防ぐには、次のポイント2をご参照下さい。

ポイント2

カビや細菌の繁殖を抑える:果物の腐敗は、カビや細菌の感染・発病により起こります。収穫前に感染し、保存中に発病するものもありますが、収穫後に果実表面に傷がつき、その部分から感染・発病することもあります。このため、買ってきた果物に傷を付けないよう、丁寧に取り扱う必要があります。また、カビや細菌は、湿度が高くなると繁殖しやすくなります。例えば、ポリエチレン袋で包装すると、果物のしなびは防げますが、逆に、袋内が高湿度となりカビや細菌の繁殖の手助けをしてしまうこともあります。このため、ポリエチレン袋でしなびを防止する際には、カビや細菌の繁殖をおさえるため、低温で保存することが有効です。一般的に、家庭にある冷蔵庫は、果物で繁殖するカビや細菌の繁殖を抑制するのに有効な低温となっています。

ポイント3

低温保存はどの果物にも有効?:低温は、カビや細菌の繁殖を抑制する効果 のほか、果物から水分が蒸発するのを抑制する効果、果物の呼吸を抑制し甘味や酸味を 維持する効果、熟しすぎになるのを抑制する効果等があることが知られており、多くの果物の保存に有効なことが知られております。一般的には、果実は凍結しない限りにおいて、温度は低ければ低いほど鮮度を高く維持できると言われております。しかし、どの果物も低温保存が有効というわけではありません。ある種の果物では、一定の温度以下で保存すると低温障害が発生して、貯蔵性や品質がかえって低下する場合もあります。低温障害の症状は果物の種類によって異なり、例えばアボカドでは果肉が変色する症状、グレープフルーツでは果皮の表面に小さな窪みが発生する症状(ピッティング:多くの場合、窪んだ部分が褐色もしくは黒色に変色)等が発生することが知られています。低温障害は一般的に熱帯や亜熱帯原産の果物で多く発生することが知られており注意が必要です。参考のために果物の種類毎の保存条件と品質保持期間の目安を表に示しました。


果物の種類毎の保存条件と品質保持期間(網掛けした果物は低温に注意が必要)
種類 保存条件 保存可能期間
温度(℃) 湿度(%)
アボガド 7〜13 85〜90 4週間
イチジク -0.6〜0 85〜90 7〜10日間
オレンジ 0〜1 85〜90 8〜12週間
カキ -1 90 3〜4か月間
グレープフルーツ 10 85〜90 4〜8週間
サクランボ -0.6〜0 90 10〜14日間
パパイヤ 7 85〜90 2〜3週間
マンゴー 13 85〜90 2〜3週間
モモ・ネクタリン -0.6〜0 90 2〜4週間

(ASHRAE Guide and Data Bookより抜粋して作表)

参考文献
1) 樽谷隆之、北川博敏共著:園芸食品の流通・貯蔵・加工、養賢堂、1982

(文責 生駒吉識)


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